解説:山口康裕(環境省登録環境カウンセラー)

22. ヒトツバタゴ(落葉高木-モクセイ科)

愛知県、長野県、対馬の一部に分布。そのため隔離分布植物を呼ばれている。絶滅危惧種でもある。別名のナンジャモンジャの名で親しまれている。特徴は枝全体が純白の細いリボン状の花で覆われ、雪をかぶったような美しさがある

21. シキミ(常緑亜高木-シキミ科)

宮城県以西に分布。3月~4月にかけて薄い黄色のリボン状の花を付ける。  有毒植物の代名詞で特に実には人を殺せるほどの毒が ある。そのため狼や野犬が土葬を荒らさないように墓に植えられた。葉に厚みがあり葉脈がほとんど見えない


20. ヤマボシ(落葉亜高木-ミズキ科)

宮城県以南に分布。

山地で見かける木で真っ白な花びらのような大きな4枚の苞(ホウ)が目立ち、秋には棒の付いたリンゴ飴に似た赤い実がなる。マンゴーに似た味がして美味しい。枝に特徴があり長い枝と短い枝が鹿の角のように伸びている。短い枝をよく見るとある物が見えるのでよく観察しよう

19.イヌツゲ(常緑亜高木-モチノキ科)

北海道を除く全土に分布。小さな葉を付けるツゲに似ているが柔らかで用材には 使われない。植物にイヌが付くと役に立たないことや ニセモノを意味する。実によく似たイヌツゲメタマフシと言う虫こぶが枝に付く。モチノキ科は赤い実を付けるがイヌツゲはへそ曲がりで黒い実を付ける

18.ヤマツツジ(落葉低木―ツツジ科)

北海道南部以南に分布。日本のツツジの代表で朱色の花を付ける。山に多いのでヤマツツジと呼ばれ酸性土壌を好む。葉の裏の葉脈には毛が生えている。蜜は蝶だけが知っている場所に蓄えられ他の昆虫たちはありつけない

17.シャシャンボ(落葉亜高木-ツツジ科)

千葉県以西に分布。樹皮と葉がヒサカキに似ているが葉の裏の中脈の下部に突起物があるので同定できる。秋にはブルーベリーのような実を着け極めて美味である。ツツジ科はやや乾燥地を好む

16.センダン(落葉亜高木-センダン科)

伊豆半島以西に分布。薄紫色の美しい花を咲かせ色々な漢方の薬になる役に立つ木であるが昔、犯罪者の首をつり下げるため使われたため嫌われてきた。最近は新緑と花の美しさが再評価されて公園などで使われるようになった。3月はまだ葉が出ていないが前年の葉が落ちた後の葉痕が動物の顔に似て面白い。

15.ウバメガシ(常緑樹―ブナ科)

千葉県以西の太平洋沿岸部に分布。葉が小さく固いのは厳しい海辺の環境下で生きるための適応と考えられている。ウバメガシと聞いてウナギを連想すればウナギ通である。ウナギを焼く炭は備長炭と呼ばれブナ科で一番固いこの木から作られる炭である。備長炭は高級炭なのでウバメガシ林は丁寧に管理されている。

14.クロマツ(常緑樹―マツ科):

本州~九州の海岸線に分布。三保の松原、天橋立を有名にしているのがこの松である。樹皮が黒いためこの名がありアカマツ(女松)比べると葉が固く長いので男松とも呼ばれる。雄花はオレンジ色で雌花は赤紫で既にバツボックリの形をしている。材は粘り気があり神社仏閣の梁に用いられている。

13.ヤマハンノキ(落葉亜高木―カバノキ科)

日本全土の渓流沿いに分布。カバノキ科特有の長い雄花序を垂らし雌花序は雄花序の後方にひっそりと付く。昔は農村では稲を掛ける稲架木(はさき)として用いた。また今でも山葵栽培の日影を作るためにも山葵田に植栽されている。

12.コアジサイ(落葉樹―アジサイ科)

千葉県以西に分布。丘陵や山地の林内で見られ、アジサイの中まで唯一装飾花を持たず全て両性花である。花に微香があり花期には周辺が香気に包まれ趣があるが、花柄の色と花色が見事なバランスを生み出していて見る人を飽きさせない

11.イチイガシ(常緑樹―ブナ科)

千葉県以西に分布。樫類の中でも一番軽く強固なため一位の名称が付与され槍や櫓に用いられた。樹形がまっすぐ伸びず、くねる為、登り龍のイメージがあるため聖なる木として神社などに植栽されている。樹皮はうろこ状に剥がれ欅の樹皮に似ている。ドングリは椎の実、同様生で食すことが出来る。

10.イタヤカエデ(落葉高木-カエデ科)

北海道~九州まで分布。イロハカエデよりも葉が大きく割れが浅い。メープルシロップほどではないが甘みがあるため、アイヌ人が神と崇めるヒグマの子供をこの木の樹液で育てたためアイヌ語でトペニ(乳の木)と呼んで大切に保護してきた。材は楽器の表面坂として用いられる

9.エゴノキ(落葉亜高木-エゴノキ科)

日本全土に分布。里山には必ず見られる木で樹皮を田畑に漉き込み土壌細菌の駆除を行った。また実にはサポニンを含むことから実をタライに入れて掻き混ぜ石鹸の代用として野良着などの洗濯に用いた。材は濡れて乾いても割れることが無いため様々な用途に用いれるが、中でも山口県の大内塗の素材はエゴノキを使っており植林が行われている

8.ホオノキ(落葉低木-モクレン科)

日本全土に分布。古代植物で蜜は作れず甘い臭いで虫を呼び寄せる。開花時は雌花で数時間後には雄花に変化する。これは自家受粉を避けるためである。葉は朴葉味噌材で有名であるが、材の用途も多く、かつては眉墨に始まり、日本刀の鞘、彫刻材、蒔絵の金を研ぎ出す磨き炭などに用いられている

7.ハリギリ(落葉高木-ウコギ科)

日本全土に分布。葉は天狗の団扇のように裂け長い柄を持っている。材がキリに似て棘があるためこの名がある。特に幼樹の時には鋭い棘が樹皮を覆っている。下駄、仏壇、棺桶、酒樽の栓等に用いれる。ウコギ科なので新葉は癖が無く天ぷらに最適

6.コシダ(常緑性-ウラジロ科)

福島県~九州に分布。ウラジロと混生することが多く、形がウラジロに似るが小型で葉は二股を繰り返しでウラジロのように数年分の層を作らない。繁殖力が強いので他の植物を駆逐する。ウラジロに比べ比較的乾燥した場所でも繁茂することが出来る

5.ウラジロ(常緑性-ウラジロ科)

千葉県以西の湿った所に繁茂する。葉の裏が白いことからこの名がある。正月の注連縄や餅の飾りに使われ縁起の良い植物とされてきた。理由は毎年前年の茎の先端から2枚の葉を出し数年分の葉が層をなすので祖父母、父母、孫のいる家族繁栄を連想させるからである。

4.スギ(常緑針葉樹―ヒノキ科)

日本全土に分布。全国の遺跡で発掘されることから古代から使いやすい材として用いられていた。日本の植林樹種で一番多い。秋田、日光、天城、天竜、屋久島がスギ材で有名である。材は柔らで香りがあるため酒樽や曲げ輪っぱに用いられる。

編柱:ヒノキとの比較で掲載しました。大丸山にはスギを植林していません。

3.ヒノキ(常緑針葉樹―ヒノキ科)

福島県~九州に分布。世界に誇る建築用材で城や寺院建設には必ず用いられた。その理由は他の木では見られない伐採してから300年間徐々に強度を増すからである。材は仏像制作で有名であるが殺菌作用があるため寿司台としても用いられる

2.ヤブムラサキ(落葉低木-シソ科)

宮城県以南〜九州の低山林縁に分布。葉の表裏面には微毛が散生しビロードの手触り感がある。葉腋から花序を出して紅紫色の花を咲かせ、ムラサキシキブ同じコバルトブルーの実を付けるが葉の下で結実する。特異点として葉の細胞に金を貯める習性がある

1.オオバイノモトソウ(常緑性‐イノモトソウ科) 

東北から九州まで分布。低地の林床に繁茂する。葉は栄養葉と胞子葉の2形があり、胞子をつける葉柄は付けないものよりも針金のように長く葉の幅も狭い。特徴は葉の先端部が3枚の小葉が逆矢印のように形をしている。